真 流行り神


★★☆☆☆ (←ブログ主による勝手な5段階評価)

5年ぶりにゲーム記事を更新します。。。二度と更新はないと思っていましたが、やるときはやるものです。

今回は日本一ソフトウェアが出したホラーアドベンチャー

流行り神

の紹介です。


真 流行り神 The Best Price

真 流行り神 The Best Price


~情報~

発売元:日本一ソフトウェア

発売日:2014年8月7日(PSVita)

ジャンル:ホラーアドベンチャー

まずはじめに断らなければいけないは、このゲームはCERO『Z』です。18歳以上対象商品です。18禁です。
今までの流行り神シリーズは18歳以下のお子様でも楽しく?プレイできていましたが、この真流行り神はZ対象となっているので大人向けの作品となっています。
こう書くと「18禁なんていやらしい・・・」「胸を熱くするドキドキな展開が・・・」と期待しますが、そんなことはありません。嫌な意味で心拍数をドキドキさせる展開が待っています。
おそらくこの作品をプレイされる方はシリーズのファンの方が多かったのではないでしょうか。だからこそプレイ後にがっかりとした感想が多いのではないかと思います。
(全ての内容は読んでいませんが、Amazonの評価値も低いようです)


簡単な紹介ですが、
本作品でこれまでの流行り神と大きく異なるのは、一つの事件が中心となり、その途中の選択肢の選び方によってストーリー(事件)が分岐する形になっています。
なので、以前の作品ですとそれぞれの事件に(順番はともかく)時系列がありましたが、本作品ではそれぞれの事件がパラレルワールドのような世界になっています。
これを踏まえて、以下のコメントです。



(悪いところ)

・基本的に警察サイドであるメインキャストの役職は同じだが、サブで出てくる人(村の住民)はストーリー(パラレルワールド)によっては酒屋のご夫人から宿屋の女将、クラブのママにまで同一人物の役職が変化する。
 あまりのキャラの変化のしように感情移入どころか付いていけない。ていうか、サイコパスから良いご主人まで性格変化しすぎだろ!
 本作品に出てくる全ての人物が深い闇を抱えているように見える、人間不信なゲームです。

・前作まであった科学ルート、オカルトルートといった分岐がなく一本道である。まぁ本作品の内容からして1つのストーリーで2つのルートの解決法は厳しいですか。

・ストーリーが終結しても後味悪い展開ばかりで、納得いかない理不尽な、救いのない終結を迎える話がほとんど。

・ていうか、そもそも都市伝説関係ないテーマ多いよね。

・セルフクエッションなくなりました。(極一部を除いて)前作までの登場人物は影も形もありません。これを期待して購入したファンはがっかりしたかもしれません。

CERO『Z』の理由は本作品内のグロ展開、欝展開が多数あるためだと思います。
 (以下は個人的な見解です)確かに都市伝説は姿かたちが恐ろしい化け物や、人間の手足や臓器を奪うような陰惨なものもあります。
 だからといってそれをそのままゲームするのはいかがなものでしょうか。そもそも都市伝説の怖さってグロなどではなく、
 不可思議なもの異形なもの常識では考えられないものに対する恐怖だと思います。それを無理に形にしようとして、心理的に嫌な展開ばかりになってしまう、
 かつ単純にグロばかりを強調する今回のゲームには失望を通り越して正直怒りさえ覚えました。人間の嫌な部分を強調しすぎです。



(良いところ)

・評価が分かれるところですが、ライアーズアートと呼ばれるシステムができました。これは時間制限内に選択肢を選び、対象とする人物の嘘や隠し事を会話で暴きだすシステムです。
 これまで流行り神の世界では時間制限という概念はなかったため、斬新なシステムだと思います。
 RPGのラスボスに挑むがごとく、犯人と目される人物と終盤でやりあうのはゲーム性が増したと感じました。

・これまでの作品でも一部ありましたが、隙間録が標準仕様になりました。これで各事件に登場する主人公以外の人物の(秘められた!)行動が描かれています。
 陰惨な本編と比べ、隙間録ぐらいはゆるい感じの話が詰まっています。全てのストーリーをこなしつくした後に、とある組織の暗躍が表現されているのは良かったです。

・一部の音楽が良いですね。特にファイナルライアーズアートの曲がお気に入りです。事件の最後に犯人とギリギリの駆け引きをする躍動感が出ていて大変グッドだと思いました。

メインの製作者が変わったようですが、どうも都市伝説の考え方や表現が旧製作陣と大きく異なるように感じます。
これは流行り神シリーズではないんだ、流行り神のシステムだけ用いたまったく別の作品なんだ、と贔屓目に見てもなんだかなぁと思います。
CERO『Z』になり作品がプレイできるのが大人だけになりましたが、プレイヤーだけではなく都市伝説をテーマとしたゲームとしても失ったものが多いのではないかと小生意気にも感じました。
ちょっと欝展開が多いので、気軽にはお勧めできません。